優しい鼓動 （３４） |
| 初めて体験した強い快感に、雫の呼吸が荒くなる。 余韻に頭がぼうっとなっていた。 そんな雫の前に和磨の顔が。 雫の蜜で濡れた手を舐める。 「・・・・お前の蜜は甘いな」 瞬時に理解できなかった言葉。 だが呼吸が少し整った時、その言葉の意味が分かり、羞 恥に顔を染めた。 和磨が今舐めていた物が雫が放った蜜だという事に。 いたたまれなくなり、顔をシーツに埋めようとしたが、一瞬 早く和磨に押さえ込まれた。 「隠すな、全てを見せろ」 今度は膝を掬い上げられる。 言われた通り全てをさらけ出す格好になってしまった。 「あぁっ！」 次の瞬間には濡れた感覚が雫を襲った。 和磨が広げられた足の、更に奥にある蕾に舌を這わした のだ。 「和磨さん！」 抗議の声を上げても和磨は離れる事はなく、唾液を送り 込むよう舌を差し込んで来る。 「はぁ・・・・・んっ・・・・」 ピチャピチャという音と、初めて感じる奇妙な感覚に首を 左右に振り耐える。 熱い舌とは別に、今度は細く堅い物が入り込もうとした。 だが、雫の蕾はまだ堅くそれを受け入れる事が出来な い。 次の瞬間、蕾に冷たい物が塗りつけられた。 「っ・・・・・」 ドロドロとした、滑り帯びた物。 その物のお陰で、今度はすんなりと入っていく。 「ん・・・・、ああぁ・・・・、あっ」 「狭いな」 言葉と共に、細く堅い物が中を動き回る。 それだけでなく、前後に動かされた。 その度にグチュグチュという音が聞こえてくる。 卑猥な音に雫の目に涙が溜まる。 「あっ、あっ、ああ・・・・」 出入りがスムーズになると、また堅い物が増やされた。 今度は中を広げるような動き。 それを繰り返されると何だか下半身がムズムズして来 た。 先程までとは明らかに違う快感。 そして次の瞬間、それ以上の波が。 「あぁぁ――――っ・・・・・！」 「ここだな」 そう言って和磨はさらにそこを刺激してきた。 「あっ・・・・あぁ・・・・、そこ・・・・・」 こんな感覚など知らない。 自分が自分でなくなって行くようだ。 首を左右に振り、駄目だと態度で和磨に表す。 だが和磨は聞き入れる事なく、刺激を続けた。 溢れ出る涙。 更に一本と指を増やされ広げられる。 ああっ、苦しい・・・・ 「目を開けろ。 俺を見ろ」 動きを止める事なく言う和磨に、出来ないと首を振る。 だが和磨は許すはずなく、涙を吸い上げながらもう一度 言う。 「開けろ」 長い睫毛を振るわせながら、なんとか瞳を開く。 するとそこにはあられもない自身の姿が。 腰が持ち上がり大きく開かれた白い足。 立ち上がった欲望からはトロトロと蜜が零れ落ち、雫の 腹を濡らしている。 その足の間には和磨がいて雫の蕾に指が。 「やぁ・・・・・ん・・」 顔を両手で覆い首を振る。 だがその手は上がって来た和磨によりどけられる。 「見ろ」 強い言葉に涙を流しながら目を開ける。 目の前には欲情した和磨の顔。 獰猛な獣の様な瞳。 食い尽くされてしまう。 そんな錯覚に陥る。 だがそんな瞳とは裏腹に、囁く和磨の声は落ち着いてい た。 だからこそ己を和磨に差し出せた。 全てを和磨に捧げようと決めたのだ。 「和磨・・さん・・・・」 「そうだ、それでいい・・・・。 手を回せ」 快感に震えながらも、強く握りしめていたシーツをなんと か離し、言われた通り和磨の背中に手を回した。 それと同時に、蕾に熱い物が押し当てられる。 熱い・・・・・ そう感じた時、中にあった指が引き抜かれる。 ほっとしたのもつかの間、次の瞬間先程とは比べ物になら ない灼熱の楔が潤滑油の滑りの力を借り、中を押し広げて いく。 「やぁ・・・・あぁ・・・・っ・・」 恐怖に力が入る。 その為、激痛が雫を襲う。 知らぬ間に和磨の背中に爪を思い切り立てていた。 背中の痛みは気にならなかったが、雄を締め付ける強さに 和磨が息を詰める。 押し入った楔が一旦入り口で止まる。 無理に入って来ないため、少しだけ締め付ける強さが和ら ぐ。 「息を止めるな。 深呼吸だ」 そう言い聞かせる和磨の声が苦しそうだった。 雫にも痛みはあるが、和磨に至っても痛みはあるに違い ない。 衝撃に閉じてしまった目を開ける。 目の前にある精悍な和磨の顔。 額に少し汗が滲み精悍さが、艶が増している。 苦しかったが、言われた通りゆっくりと深呼吸をする。 何度か繰り返すうちに体から力が抜け、痛みが少し和ら ぐ。 そしてそれを感じ取った和磨が、痛みのために萎んでしま った雫の中心をゆるゆると扱き始める。 「はぁ・・・・・・ん・・・」 後ろの痛みを凌駕する快感。 甘い声が漏れ、和磨への締め付けが緩んだ。 それを見計らい一気に押し込んできた。 「―あぁぁ――――！」 「・・・っ！」 衝撃に雫の口から悲鳴が。 そして和磨の背中には雫の爪が更に食い込む。 強い締め付けにと背中の痛みに、和磨の口からは呻き が。 だが顔には苦痛は見られない。 ジッと見下ろしてくる。 やはり雫の息が整うまで動かずに待ってくれている。 大きく息をし時間が経つと、中にいる和磨がより感じられ た。 自分を欲しがっていてくれる事がより感じられた。 こんな自分を和磨が求めていてくれる。 どういう意味で求められているのかは分からないが、思わ れている限り、自分は心も体も捧げようと決めた。 また裏切られるかもしれないという不安もあったが、それで も側にいようと決めたのだ。 初めて会った時から雫の瞳は和磨に捕らわれていた。 それが恋なのかどうかは分からない。 だがこれだけは言える。 いらないと言われるまで、側にいたい・・・・ 苦しかったが、微笑んだ。 潤んだ瞳が和磨を誘っていた。 その顔に欲情を刺激された和磨が「動くぞ」と言い、腰を 動かし始めた。 「あ・・・・ああ・・っ！」 お腹の中が熱い。 痛みはまだあるが、同時にそれとはまた別な感覚が湧き 上がってくる。 「ゃ・・・・・・あああぁ・・・・」 あげる声に艶が混じり始めている。 それを感じ取ったのか。和磨の動きにも変化が。 強弱を付け、腰を回す。 「あ、ああ、やああっ！」 先に指で見つけられた場所を楔で擦られる。 その度に蜜が零れる。 より大きな快感に体が翻弄される。 自分でもどうする事も出来なくなっている。 ただただ和磨から与えられる快感に溺れていく。 何も知らなかった雫の体。 和磨によって艶やかに華開く。 時にきつく締め付け、時に和磨の雄を中へと取り込み絡め 取る。 「・・・いい体だ」 動きを止める事なく目を眇め、雫の体を和磨は堪能してい た。 「はっ・・・・ああっ・・・」 体の中に熱がより大きく溜まって行く。 このまま溜まっていったら一体自分はどうなってしまうの か。 涙が溢れる。 「かずま・・・さん・・・・。 和磨さん」 ただひたすら和磨の名前を呼び続ける。 「そうだ、俺の名前だけを呼べ。 この体で俺を覚えろ」 和磨が腰を掴み、動きを早めていく。 そして快感の源を狙い澄ましたように突いていく。 その度に抱え上げられた雫の白い足が揺れる。 汗がキラキラと光りに輝く。 「んっ、あっ、あぁ・・・ん！」 中を抉られ、中心を扱き上げられる。 和磨の動きについていけず翻弄される。 凄まじい快感。 体が溶けていく。 こんな感覚知らない！ 「やっ！ かず・・・・ま・・・さん！」 絶頂がそこに見えている。 そして「いけ」と和磨に耳元で熱のこもった声で囁かれた。 「あっ、あっ・・・・あああーっ！！」 和磨の声が切っ掛けとなり、体の中に溜まっていた快感が 一気に弾けた。 雫の背中が弓なりに反る。 はき出された物が互いの体を濡らす。 最後に和磨に大きく突かれ体の中に、別な熱が入り込んだ 瞬間、雫はそのまま意識を失った。 |
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