束縛しないで
(5)

キリ番99999をGetされたなつめ様からのリク
「束縛されて」の続き







 珊瑚の肩に手を置き、艶やかな髪の毛にキスをする竜也。
 「きゃーv」と店内が色めき立つ。
 周りを見ると珊瑚達を窺っていた、主婦・女子高生達が興味津々の顔でこちらを窺い
 そして黄色い声を上げていた。

 指示があった通り、10分以内で駆けつけた竜也。
 珊瑚の告白に衝撃を受けていた彼等は、竜也が入って来た事に気付かなかった。
 入って来た時、甲子園のアイドルである竜也の登場に今まで以上に店内がわき上が
 たのだが、話に夢中になっていた彼等には気付かなかったようだ。

 珊瑚の隣に座っていた男が、「どうぞ」と竜也の為に席を空ける。
 お礼も言わず、当然のようにそこへ腰を下ろす。
 その仕草と竜也のが登場に、珊瑚の怒りが再燃。
 ギリギリと睨み付け怒りをぶつける。

「竜也、丁度いい。 此奴らうざい。 ついでにお前もうざい。 だから別れる、今直ぐ部
屋を出て行け」

 あまりの言葉にその場にいた鳳の生徒達が蒼白となる。
 天下の剣の息子に向かってなんという口の利き方をするのだと。
 しかも溺愛する恋人に、自分達のせいで別れを告げられたのだ。
 いくら竜也が普段温厚であっても、これには激怒するに違いない。

 だが珊瑚はそんな事は知らないし、今話された事すら聞いていなかった。
 だから竜也が剣グループトップの息子だという事はまだ知らない。
 勝手な事を言われたのと、今までのストレスまでプラスされた事で珊瑚が切れてい
 た。

「いつもいつも愛してるって煩いんだよ。 何が愛してるだ ふざけるな。 愛している
と、相手の事を心から思うならその気持ちを考えろ。 自分の思い通りになると思った
ら大間違い。 相手を読め空気を読め。 束縛するだけが愛じゃない。 それが出来な
いなら二度と俺の前に顔を出すな!」

 怒りに燃える珊瑚はとても美しく、その場にいた誰もが魅了されていた。
 竜也がそんな珊瑚をそっと抱きしめる。

「ごめんね。 でも愛しているから相手を束縛したくなる。 愛しているから離れている
事が辛いんだ。 僕の愛し方は急ぎすぎていたのかもしれない。 これからはゆっく
り、珊瑚のペースに合わせて愛して行くよ。 だから・・・、だから珊瑚、僕を愛して」

 目の前では始まった熱い告白に、店内が静まりかえっていた。
 だが二人は気付かない。

「・・・・本当か。 本当に束縛しないか?」

「・・・・・勿論」

 間が空いたが、竜也は最上級の笑みを浮かべ珊瑚の顔を赤くする。
 店内にいた者達も球界ヒーローの笑みに心を奪われた。

「そ、その一瞬の間は何だよ・・・」

「さあ、気のせいだよ」

 照れながらも見つめ合う二人は既に別世界。
 珊瑚もなんだかんだ言いながら、実は竜也に一目惚れしていたのだから許すしか
 ないだろう。
 まだその気持ちに本人が気付いていないだけ。

「学校、変わるなよ」

「取り敢えず、2年が終わるまでは鳳にいるよ」

「はあ? 何、3年になったらやっぱり白鳳に来るのかよ」

「勿論。 でも束縛しないよ、だから安心して」

「・・・・来ないでくれ」

 笑顔で珊瑚の言葉を拒否。
 さすがスポーツマンなだけあって爽やかな笑顔。

胡散臭い・・・・・

 でも「ね」と言われてしまうと信じるしかない。
 
「分かった。 それならいい。 言い過ぎてごめん・・・・」

「気にしない。 さあ、帰ろう」

「うん」

 竜也はその場にいた部員達を無視。
 珊瑚は伝票をその場に残し、二人仲良く手を繋いで店を後にした。
 そんな彼等を店中が呆然としたまま見送った。
 
「ねえ、そういえばここまでどうやって来たんだ」

「それはね」

 言って一点を指差す。
 その先には大型バイクが。
 如何にも高級そうなバイク。

「・・・・まさか、あれで?」

「そう。 車で行こうとしても、ここまではどう頑張っても20分はかかるから。 10分で
来いって珊瑚言ったし。 何かあった時用にって、下の駐車場に用意しておいたんだ
よ」

やっぱり金持ち・・・・

 手渡されたヘルメットを被り、竜也が乗るバイクに跨る。
 本意ではないが、きっと言われるであろう言葉を先読みし、珊瑚は竜也の腰に腕を
 回した。
 ヘルメットを被っているから分からないが、珊瑚の仕種に驚いたようだった。
 暫くの間タンデムを楽しむ。

 時間は短いがバイクに乗った事、ファミレスで言いたいことを言った為、何だか少し
 スッキリした。
 マンションへ着くと、何故かエントランスに竜也の運転手である三村が立っていた。

なぜここに?
それよりもいつ連絡したんだ?

 疑問は沢山。
 そんな珊瑚をよそにバイクから降りた竜也は「後、お願いします」と言い鍵を三村に
 渡し、手を引き中へと入って行く。
 マンションに着いてから竜也は少しおかしかった。
 
 エレベーターに乗り込むと同時に噛み付くようにキスを仕掛けて来た。
 何もかも奪われるようで珊瑚は怖くなった。
 捕まれていない腕で必死に竜也の背中を叩くが、叩けば叩くほど強く口腔内を貪ら
 れる。
 だが竜也の体が少し震えていた為、今度は息が苦しいという意味で背中を叩いた。

 酸素が足りなくなったせいで頭がボウっとなり、叩いていた手から力が抜ける。
 大人しくなった珊瑚に、今度は優しくキスをした。
 舌を舐められ、軽く咬まれる。
 そこから甘い痺れが。
 今度は背中に優しく手を回し抱きつく。

「ん・・・・」

 甘い声が漏れ、珊瑚の仕草に竜也のキスもより官能的なものへとなっていく。
 そして竜也は珊瑚の両足の間に自分の片足を入れ、珊瑚の股間を刺激する。

「あ・・・・ん・・・・・」

 唇から今度は耳を舐められる。
 ピチャピチャと濡れた音に興奮も高まる。
 強く、時には撫でるような足の動きに珊瑚の腰が揺れる。
 この数日で珊瑚の体は作り替えられてしまっていた。
 より強い刺激を体が求めている。

「あ・・・・・だめぇ・・・・」

 拒絶をしているがその声は甘く、竜也にはもっとと強請っているように聞こえる。

「どうして? 珊瑚のここは違うみたいだよ」

 竜也の足による愛撫とキスで珊瑚の欲望は育ちきっていた。
 そこを今度は手で揉まれ甘い悲鳴をあげる。

「ん・・・・、ああっ・・・・・!」

「ほらね」

 甘く囁く声に珊瑚は潤んだ瞳で睨み付けた。
 だがその瞳は興奮していつ竜也には煽る意外の何者でもない。
 己の育った欲望を珊瑚の腰に押しつけた。
 欲情しているのが自分だけではないと気づき、珊瑚は驚きながもその大きさに顔を
 赤く染めた。
 貫かれた時の甘美な刺激を思い出し、体が震える。
 知らぬ間に体を竜也に擦り付けていた。

 後から思ったが、乗っている間エレベーターが他の階で止まらずに良かったと心か
 ら思った。
 殆ど顔は合わせる事はないが、同じマンションの住民に見られれば憤死もの。
 問答無用で竜也を殴りつけていたに違いない。

 エレベーターが止まる頃には、珊瑚は自力で立てなくなっていた。
 それ程までに竜也に溺れていたのだ。

 竜也も心得ており、誰かに会う前に足腰の立たなくなった珊瑚を抱き上げ急ぎ部屋
 へと向かう。
 そのまま寝室へと珊瑚を運び、着ていた制服を手早く脱がす。
 耳たぶを咬まれ、吸い上げら舐められる。

「・・・・んん、・・・あっ」

 キスは段々下に降りていき、胸の中央で尖っている赤く色づいた先端を掠めた。

「あ・・・や、駄目」

 竜也は唇でははさみ吸い上げ舌でなめ回す。
 片方の手は更に下を目指し、既に立ち上がり先端からトロトロと蜜を零している茎
 を扱き上げる。

「やあぁ・・・・、そこ駄目ぇ・・・」

「どうして? ここはこんなに蜜を零して喜んでいるのに」

 更に扱き上げグチュグチュと態と音をたて、珊瑚の羞恥心を煽る。
 そして先端をこね回す。

「はうっ!」

 強い刺激に背中がベットから浮く。
 吸ってと言わんばかりに突き出された胸を竜也が強く吸い開けた。

「あ、ああ・・・・、きゃうっ!」

 いつもは気の強い珊瑚が快感に溺れていく姿は美しい。
 濡れた瞳で竜也だけを見詰める。
 自分以外の男を見詰めないで欲しい。
 今までにない強い執着心。
 常に側にいて見詰めていたい。
 そして見詰めて欲しい。
 誰かに溺れることなど決してないと思っていた。
 今年婚約した一つ上の兄が、相手の全てを独占したいと言っていた事がここにきて
 漸く分かった。

 別れると言われた時、笑ってはいたが珊瑚を不快な目に合わせたその場にいた鳳
 の生徒達全てを消し去ってしまいたかった。
 目の前から珊瑚がいなくなると考えた時、恐怖で体が震えた。

 愛しているなら束縛するなと珊瑚は言ったが、竜也は愛しているからこそ珊瑚の全
 てを束縛したい。
 竜也の恋はまだ始まったばかり。
 ゆっくりで構わない、いつか全てを束縛してしまおうと考えていた。





Back  Top  Next




SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送