ナ・イ・ショ
(9)

33333Getされた、りんりん様より

貴章のバースデーのプレゼントの為に友人の紹介でコスプレ
パブでバイト。 ボケをかましつつ慣れてきた若菜だったが、
貴章に見つかり、ラブラブなおしおきv





 着替えた若菜を見てウットリする雄大。
 
 この日の衣装は巫女。
 袖長白衣と目にも鮮やかな緋色の巫女袴。
 前日と同じようにカツラを使用。
 珊瑚と有樹もカツラを着用していた。
 若菜の瞳は綺麗な紅茶色の為、カツラと同じ黒のカラーコンタクト
 を装用していた。
 
 昨日の光り輝くゴージャスな雰囲気とは一転、今日の若菜は清楚
 で神秘的なものだった。

 7時の開店と共に、客がなだれ込んで来た。
 昨日来たVIP達が話したのか、更に人が多かった。
 
 この三人を一つのテーブルだけに留めておくのは、他のVIPからク
 レームが入るのは目に見えた事。
 前日同様、皆のテーブルを回らせる事にした。
 そして、この日は雄大も若菜達について回った。
 
 面白くないのはNo1の桜子。
 一瞬にして、自分の客を持って行かれたのだから。
 それに、雄大までもが。
 
 確かに容姿はずば抜けている。
 しかし、それを認めるのは悔しい。
 
そうよ、私には語学力もあるし、世界情勢、経済だって他に誰にも負
けない知識がある!

 目の前に座るVIPはフランス人。
 桜子はフランス語で会話している。

 そこに丁度若菜達が回って来た。

チャンスだわ

 ほくそ笑み、隣に座るVIPにフランス語で話しかける。
 英語は出来てもフランス語は分かる訳がない。
 そう高を括っていた。

『この三人は昨日から入って来た子達なんですの。 三人とも綺麗だ
と思いませんか?』

『素晴らしい! なんて神秘的なんだ。 正に大和撫子、美しい・・・・・
・』

「皆さん、こちらの方はフランスの大手自動車メーカーの会長ですの。
失礼のないように。 さ、ご挨拶なさって」

 三人のそれぞれ違った美しさに感激しているVIPを余所に、桜子が
 挨拶するように言う。

 フランス語を流暢に話す自分に優越感を抱く、分かりすぎる桜子の
 態度に珊瑚の瞳の色がキツクなる。
 
感じの悪い女だ・・・・・

 そんな珊瑚を余所に有樹が「初めまして、春香です」と挨拶をする。

 堂々とした日本語での自己紹介に、意地悪い笑みを浮かべていた
 桜子は唖然となる。

 続いて珊瑚も日本語で堂々と挨拶を。

 そして最後に若菜が『初めまして、翠と申しますお目にかかれて光
 栄です』と聞いていて心地よいフランス語で挨拶をした。
 
 これにはVIPも驚きを隠せない。

『桜子のフランス語も綺麗だが、翠、君のフランス語は流れるように
美しい。 とても綺麗な、聞きやすい発音だ。 それに三人とも皆な
んて美しいんだ』

『有難うございます。 祖父がフランスに居りますの。 以前は休日
になると行っていたんですのよ。 まあ、もうお飲物がありませんわ。
何かお飲みになりませんか?』

 言ってすかさず注文を取る。
 
 珊瑚、有樹、雄大、そして千葉の4人は若菜が一体何を言ってい
 るのか分からない。
 フランス語を流暢に話す若菜をただただ呆然と眺めていた。

 若菜は桜子を入れた5人を全く気にせず、お酒を作り始めた。
 馴れた手つき。
 楽しそうな二人。

「すみません、新しいボトルを」

 若菜に言われ、我に返る5人。

「あ、ああ・・・・・・」

 ボトルを用意するよう、手を挙げ黒服を呼ぶ。
 周りから「まだか!」の視線が。

「あ・・・・・・翠君、そろそろ・・・・」

「え、もうですか?」

 折角楽しくフランス映画の話しをしていたのに残念だ。

『申し訳ありません、そろそろ他のお席に行かなくてはいけません
ので』

『あ〜、翠残念だよ。 こんなに楽しい夜は久しぶりだったのに。 君
を独り占めにしてしまうと皆からの嫉妬の炎に焼かれてしまうから
ね』

『うふふっ』

 最後にキスをしてくるVIPを、失礼のないようサラッと交わし、席を
 立つ。

 行く先々でコップに注がれたアルコールを飲み干す若菜。
 珊瑚や、有樹に出された物も、さり気なく自分のカラのグラスと取
 り替えて行く。
 一体何杯飲んだのか。
 しかし、顔色は全く変わらず、足下もしっかりとしている。
 アルコールがまるで水のようだ。

ザル・・・・・・

 4人ともそう思った。

 客の一人が、若菜の語学力に感動し「何カ国語を話せるんだい」と
 聞くとフランス語、英語、中国語。
 今はドラマの影響で韓国語を勉強中との事。
 皆が感嘆している。
 珊瑚は英語だけは話せる。
 有樹もそこそこ。

 英語での会話は雄大でも分かる。
 ただその内容が、雄大でも難しいと思う経済、株だったり。
 聞き慣れない単語が、多分専門用語が飛び交い、時に相手に対
 し助言をしたりもしていた。
 会社のTopを相手にしても、物怖じもせず堂々と渡り合うとは・・・・

 そんな若菜を雄大は恐ろしげに見つめていた。

何なんだ・・・・・・

 外見が綺麗なだけかと思っていたのに。
 いや、始めは外見もブサイクなどと思っていた。
 雄大は自分の浅はかさを、器量の低さを恥じた。

 幾つもの会社を興し、大企業Topとの繋がりも出来た事で満足し
 ていたのだ。
 それなりに渡り合えてると思っていただけに、若菜の存在はショッ
 クだ。

高校生にそれを教えられるとは・・・・・・

 自分を見つめ直すいい機会だ。

 そんな事を思っていると、突然入り口が騒がしくなった。

 見ると最高のVIP達の姿だった。







   
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