ナ・イ・ショ
(6)

33333Getされた、りんりん様より

貴章のバースデーのプレゼントの為に友人の紹介でコスプレ
パブでバイト。 ボケをかましつつ慣れてきた若菜だったが、
貴章に見つかり、ラブラブなおしおきv





「フッフッフ・・・・・完璧だわ・・・・・」

 鏡を見て満足げな若菜。
 確かに完璧。
 言葉遣いも既に変わっていた。

 そんな若菜を見て、珊瑚と有樹は呆然と見惚れていた。

 本来の若菜を知っている者でも、同一人物と気付くまい。

 足りなかったアイテムを購入、使用した若菜は別人だった。

 珊瑚と有樹も、元は分かっているのだが全く知らない人物に見え
 る。
 
 二人も衣装・カツラ・化粧で大分違っているのだが。

 3人とも出来映えは素晴らしかった。




「今日から一週間だけだが、新人が入る事になった。 人数は3
人。 一人は俺の姪。 後の二人は姪の友人だ。 急に頼んだ
為7時から9時と時間も短い。 皆からしてみれば、短期間・短時
間で使えるのかと思うが、かなり戦力になると俺は踏んでいる。
 それだけレベルが高いという事だ。 皆も負けないように」

 本当は甥だが、それを言おうものならプライドの高い女達から何
 を言われるか分からない。
 しかし、ここにいる者達よりも上だと分かるだけに。
 
 店で働く者達は、この店に来る政財界の要人と近づくチャンスを
 狙っている者が多い。
 しかし、オーナーである雄大に惹かれている者も少なくない。

 それが男に負けている事を知った日には・・・

 中でも店のトップにいる桜子のプライドの高さといったら・・・



 そして桜子は、雄大を愛してやまない。
 その雄大が、姪とはいえ自分以外の者に対し、美人と言うのは
 許せなかった。
 周りの者達も、桜子の雄大に対する思いを知っている。

 止めて行った前三人は雄大に思いを寄せていた為に、桜子の怒
 りを買ったのだ。

 皆が恐る恐る桜子を見ると
 怒りに燃えた桜子が。
 顔面は蒼白だが、瞳は嫉妬に燃えていた。

「桜子さん以上に綺麗で知的な人はいませんよ」

 隣にいた者が桜子にそう声を掛けるが、かえって怒りを煽ってし
 まったらしい。
 キツイ瞳に睨まれ後ずさる。
 
 言われなくても美貌・知識・語学力・会話には自信がある。
 誰もが桜子の事を指名し「私の所へ来ないか」誘いを掛けてくる
 のに何故雄大はという思いが。
 誘いをかけても自分を見てくれないのが口惜しい。

「失礼します」

 声と共に、皆と同じ衣装を着た珊瑚達が入って来た。

 珊瑚は衣装を着て、薄く化粧をしただけの、本来の姿のまま。
 
 有樹は栗色のカツラを被り、上から細いシルバーの額アテで
 止めていた。
 
 雄大が言うようにこの二人の印象は強烈。
 
 漆黒の髪と瞳。 
 グロスだけと思われる、深紅の唇。
 冷たい海を思い出す。

 大きなヘーゼル色の瞳。
 全体が柔らかな優しい雰囲気。
 見る者全てを癒してくれるような、春の雰囲気。

 思わずため息が出てしまう。

「良く似合うぞ」

 雄大の声にハッとなる。
 
 確かに雄大の言う通り、美人だと思うし、レベルも高いと思う。
 しかし、自分には大人の色気もある、負けていない。
 桜子は自分にそう言い聞かした。

「おい、あれは」

 雄大の口調が雑なものに変わる。
 そう言えば3人だと言っていたのに、もう一人の姿が見あたらな
 い。
  
 雄大の態度からすると、この二人からは大夫落ちるのだろう。
 誰もがそう思った。
 
 雄大の秘書の千葉も事実そう思っていた。

「そんな言い方して、後悔するよ・・・・・」

 珊瑚が意地悪そうに、雄大言う。

どうせたいした事なんかねえよ・・・・・
化粧すればましかもな。

 たかを括っていた。

「入っていいよ」

 扉に向かって大きな声で呼ぶ。

 扉が開き、光が差し込む。
 同時に人が。

「「「「「「!!!」」」」」

 誰もが息を呑んだ。
 
 光り輝く腰までの金色の髪。
 コバルトブルーの瞳。
 額には瞳と揃いの色の石の額アテ。
 抜けるような白い肌。
 優雅な物腰。
 存在感溢れる、本物の女神のようだ。

「初めまして、翠と言います」

 発せられた声も涼やかなもの。

 誰一人声を掛けられる者はいなかった。

 どれだけ時間が経ったのだろう。
 
 面白可笑しく見物していた珊瑚が雄大に声をかける。

「だから言っただろ。 『後悔するよ』って」

 その言葉に我に返る雄大。

もしかして・・・・・もしかして・・・・・あれが、これなのか・・・・・・?

 信じられない思いで若菜を見、秘書の千葉を見る。
 千葉も珊瑚の言葉の意味に気付き目を見開いている。
 
 少しの事くらいでは動揺する事のない自分の秘書の驚きよう
 に確信する。

「ホントかよ――――――――!?」






   
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