ナ・イ・ショ
(5)

33333Getされた、りんりん様より

貴章のバースデーのプレゼントの為に友人の紹介でコスプレ
パブでバイト。 ボケをかましつつ慣れてきた若菜だったが、
貴章に見つかり、ラブラブなおしおきv





 何だか楽しそうな事になったとワクワクする若菜。
 
 コスプレパブが全く分からず、キョトンとする有樹。

 困ったのは珊瑚だった。
 こんな事が綾瀬にバレたら何を言われるか分からない。
 それ以上に恐いのが竜也だった。
 

「ねえ、ねえ珊瑚コスプレって事は何かを着るんでしょ。 パブって事
は飲み屋さん?」

「・・・・・そうだな」

 無邪気な若菜に脱力。

 そのまま4階に連れて来られた若菜達。
 ここで待っていろと言われ、置かれていたソファーに座り、出された
 ジュースを飲んでいた。

「珊瑚の叔父さんて、いい人だよね。 時間も日にちも短いのに、あ
んなに時給高いんだもん。 今日からっていうのが急でビックリだけ
ど早い方がいいもんね。 一日1万で一週間だから7万。 7万!
?」

 言ってビックリする若菜。
 7万もあれば、貴章に相応しいプレゼントが用意できる。
 何にしようか頭の中はプレゼント一色。
 まだ働いてもいないのに気の早い事だ。

 1時間ほどして、雄大が戻って来た。
 後ろにはやはり秘書が付いていた。
 それとは別に二人、荷物を抱えて入って来た。

「遅くなったな。 これが今日着て貰う衣装だ。 他にもカツラと化粧
道具だ」

 次々と並べて行く。

「おい、お前」

 声を掛けられ、若菜は雄大を見る。
 暫くジッ見られため息を吐かれる。
 こう、何度も何度もため息を吐かれるのは凄く気になる。

「あの・・・・・」

「・・・頼むから、そのメガネだけは外してくれ」

 ため息の理由が説けた。

なんだ、メガネか

「あ、勿論外しますよ」

「駄目だ!」
「ダメッ!」

 珊瑚と有樹が声を大にして叫ぶ。
 あまりの声の大きさと、その強い口調に皆が驚く。

「え、でもメガネ外さないと駄目なんですよね?」

 若菜が雄大に確認を取る。

「絶対に取れ。 取らないとこのバイトの話しは無かった事にする」

 外してはいけない事くらい、自分だって分かっている。
 でも外さないとバイトさせて貰えないし、貴章のプレゼントだって
 買う事が出来ない。
 コスプレでカツラもある。
 化粧すれば誰だか分からないのだから、メガネを外しても問題は
 ないだろう。
 勝手に自己完結。

「ほら。 雄大さんだってこう言ってるし」

「駄目なものは駄目だ。 綾瀬やお前の家族にキツク言われてる
んだ。 もし外した事がバレたら、綾瀬にどんな目に合わされるか
・・・・」

「そうだよ、僕も綾瀬や青葉君恐いし・・・・・」

 気の強い珊瑚にそこまで言わせ、恐れられる人物も気になるが、
 そうまでしてメガネを外させないようにするとは、よっぽどヒドイ顔
 に違いないと思いこむ雄大達。

 そんな4人を余所に笑う若菜。

「大丈夫だよ。 カツラ被ってお化粧すれば誰かなんて絶対に分か
らないんだから。 僕が保証するよ」

いや、若菜に保証されたくない・・・・

 二人が思った。

「そうだな、カツラを被って化粧をすれば分からないだろう。 なるべ
く顔の隠れるようなカツラにすれば、どんなにブサイク・・・・いやどん
な顔かも分かるまい」

 ブツブツ言って、雄大は自分を納得させた。

 そんな事を言う雄大を珊瑚は睨み付けた。

ブサイクだったらどんなによかった事か・・・

 すっかりやる気になっている若菜を二人は止められない。

「この衣装はなんの衣装ですか?」

「あぁ? ああ、それね。 もうすぐオリンピックだからな。 アテネと
言えば神話。 神話と言えば女神だろう。 な訳で今日のコンセプ
トは女神だ。 で、お前達は男だから、胸元が隠れる用に衣装を
変更した」

「僕たち以外は女性なんですか?」

「そうだ」

 珊瑚はてっきり自分達以外も男だと思っていた。

「・・・・普通なんだ」

「当たり前だ!」

 ムキになった雄大に怒られ首を竦める若菜。
 しかし、男の自分達がいいのだろうか。
 疑問をぶつけてみた。

「あ? お前達なら誰も男だなんて思わねえよ。 制服でも問題な
いが、私服ならお前らの方が余裕で美少女だ。 女装したら今う
ちで働いてる本物の女達より確実に上だな」

 珊瑚と有樹に向けられた視線。
 二人にしてみたら、余りにも嬉しくない言葉。

 若菜は目の前に並べられた衣装と小物に目を輝かせ、やるなら
 徹底的にしようと、頭の中でイメージを描いていた。

「まだ時間はあるから、それまでゆっくりしとけ。 6時半に顔合わせ
するから。 着替えたら隣の店に来い。 遅れるなよ」

 出て行こうとする、雄大達に若菜が声を掛ける。

「あの、ちょっと足りない物があるんですけど・・」






   
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