ナ・イ・ショ
(3)

33333Getされた、りんりん様より

貴章のバースデーのプレゼントの為に友人の紹介でコスプレ
パブでバイト。 ボケをかましつつ慣れてきた若菜だったが、
貴章に見つかり、ラブラブなおしおきv





「で、どうして有樹もここにいるの?」

 学校から離れた場所にあるオープンカフェでそれぞれ飲み物を注
 文し、途中本屋に寄って購入したアルバイト雑誌を見ていた。

「ん? だって若菜と珊瑚の二人だけだと心配じゃない」

 飲んでいたアイス・カフェ・ラテをテーブルの上に置き、ニッコ
 リ言う有樹。
 そんな有樹に、雑誌に目を落としていた珊瑚が顔を上げ見る。

お前に言われたくない・・・・・

 そんな珊瑚の視線に気付く。

「なに?」

「そういう、有樹はバイトした事あるのか?」

「僕? ないよ。 姉さん達が駄目だって」

 有樹の姉達を思い出し納得。
 口では何だかんだ言いながら、有樹の事が可愛くて仕方ない
 姉達を。
 男とつき合ってると知ったらどんな反応をするのか、少し恐ろ
 しい。

「ねえ、これなんかどうかな?」

 情報誌をひたすら睨んでいた若菜が顔を上げ指をさす。
 ファミレスのホール係。

「・・・・・・無理だ」

「え〜〜、どうして〜」

「飲食業にその髪はマズイだろう。 見た目清潔感が大事だ」

 それは、自分が不潔だと言いたいのか?
 さすがにその言葉には若菜もムッとなる。
 すかさず有樹がフォロー。

「若菜が不潔とか言いたい訳じゃないんだよ。 ただ、ほら、若
菜前髪長いでしょ」

「じゃあ、切る」

「馬鹿、駄目に決まってるだろう。 何の為に前髪伸ばしてるんだ
よ。 顔を隠す為だろ。 だから無理」

「あ、そっか」

 ポンと手を叩いて納得。
 皆に「メガネを外すな」、「顔を出すな」と言われて散々言われ
 ていたのを思い出す。

「だから飲食業は却下」

「でも、殆どが飲食業だよ」

 若菜に言われ悩む三人。

「「「う〜〜〜ん」」」

「珊瑚?」

 呼ばれ振り向くと、久しぶりに見る叔父雄大がいた。

「叔父さん・・・・」

「誰が叔父さんだ、雄大さんと言え」

 確かに「叔父さん」と呼ばれるより「雄大」と読んだほうが似合
 う。
 
 年の離れた母の弟。
 確か30代半ばな筈。
 後ろに撫で付けられた髪、ハッキリとした男らしい顔立ち。
 普通のサラリーマンとは何処か違う雰囲気を醸し出していた。

「どうしてここに?」

「何寝ぼけてるんだ。 ここは俺の店だ」

「「えっ?」」

 若菜と有樹が同時に。

「そうだっけ?」

「お前という奴は・・・・・。 で、何してるんだ」

 言って三人の座る席に椅子を持って来させ座る。

「俺達バイト探してるんだ」

「バイト? お前そんな事しなくてもいいくらい親から送金して貰っ
てる筈だろうが」

 確かに珊瑚は両親から過分なほどの送金がある。

 高校生の生活費にそこまで必要なのかと思うくらい。

 一人で生活を始めてから、外食や、コンビニなどでの食費は要
 ったが大した金額ではないし、 服だって高級な物は買わないし
 、今まで持っていた物で事足りる。
 竜也と暮らすようになってからは、外食もしなくなった為にその
 お金も余っている。

「いや、俺じゃないんだけど・・・・」

「おっ、なら俺の所でバイトしないか」

 珊瑚の話しを途中で遮り、思い出したように話し始める雄大。

「新しい店始めたんだが人が足りなくてな。 ここは一つ、いつも
世話をしている俺に恩返しって事でどうだ」

世話になった覚え、ないんだけど・・・・・

「ここから直ぐの所だ。 行くぞ。 そっちの二人もだ」

 サッサと話しを切り上げる。
 後ろに控えていた男に声をかけ、会計を済ませるよう指示し
 店を出て行く。

どうして俺の周りってこんな強引な奴しかいないんだ・・・・・・

 ため息を吐く珊瑚。

 若菜達を見ると

「良かったね、若菜」

「うん、思ったよりあっさり決まったね。 珊瑚の叔父さんの紹
介だし」

「で、どんなバイトなんだろうね」

 呑気な二人だった。






  
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