ナ・イ・ショ
(2)

33333Getされた、りんりん様より

貴章のバースデーのプレゼントの為に友人の紹介でコスプレ
パブでバイト。 ボケをかましつつ慣れてきた若菜だったが、
貴章に見つかり、ラブラブなおしおきv





 綾瀬に知られてしまえば、必然的に貴章にバレてしまう為、バイ
 トの事は内緒にする事に。
 有樹や珊瑚にも、綾瀬には内緒にする事を約束して貰う。

 しかし、アルバイトをするにしても何をしたらいいのか、全く分か
 らない。
 それに、何でアルバイトを探せばいいのかも若菜には分からなか
 った。
 そんな若菜を見かねた珊瑚が、放課後アルバイト情報誌を手に
 入れるべくつき合う事に。


「帰ろうか」

 いつもと同じように、綾瀬が若菜に声を掛ける。
 本当なら綾瀬と帰りたい。
 しかし今日だけは無理。

「ごめんね、綾瀬。 今日は珊瑚の家に行く事になったんだ」

「じゃあ、俺も一緒に行く」

「え!?」

 マズイ。
 綾瀬が一緒に来る事だけは阻止しなくては。

「あ、うん、僕は全然いいんだけど、珊瑚が・・・」

「え゛っ!?」

 急に話を振られ、慌てる珊瑚。

「珊瑚がどうしたんだ?」

 一体何を言うのか心配な珊瑚。
 最近の若菜は、感も鋭くなったが人を陥れる事も覚えたようだ。
 これは、珊瑚に限っての事だが。
 兎に角、珊瑚にとって、若菜の一言一言が爆弾になるのだ。

今度は何だ――!

 心臓はバクバクしている。

「う〜ん、ちょっと竜也君の事で相談があるんだって」

「剣の?」

 訝しげな綾瀬。

「別に剣の事で、相談なら俺がいてもいいんじゃないか? 悩み
事は大勢に聞いて貰った方が早く解決する事もあるだろう」

 綾瀬が珊瑚に言う。
 しかし、珊瑚には今すぐ聞いて貰いたい悩みなど全くない。
 本当は若菜の悩みで、アルバイトの事なのだから。

「俺には言えないのか?」

 綾瀬の視線が段々キツクなっていく。
 その視線に曝された珊瑚は、内心汗をダラダラと流していた。
 
 若菜の悩みの事なのに、何故自分が綾瀬にこんな視線を向け
 られなくてはならないのか憮然となる。

若菜のせいだ・・・・・

 本当の事を言ってしまおうと口を開きかけた。

「珊瑚・・・・・」

 いつもと違う低い口調。
 視線を若菜に向けると、口元に意地悪そうな笑みが。
 メガネもキラッと光る。

「う゛っ!」
 
恐い、恐すぎる・・・・・

 もし今、綾瀬に若菜のバイトの事を言おうものなら、若菜に何を
 言われるか分からない。
 本当は誰も知らない筈の事を、若菜は知っていたりする。
 珊瑚の知らないところで、自分と竜也の情報を入手していた
 りするのだ。
 入手先は間違いなく、綾瀬の兄であり、若菜の恋人である久我
 山貴章に違いない。

 自分の恋人と、若菜の恋人との関係が全く分からないが、まず
 間違いない。
 竜也に聞けばあっさりと、関係を教えてくれるのだろうが、珊瑚
 にとってはどうでも良い事。
 
 竜也がどんな人物であろうと、とても嫉妬深いが自分の事をと
 ても大事にして、愛してくれる最愛な恋人には違いないから。

 本人には恥ずかしくて言えないが。

「あ〜〜あ〜〜〜〜〜」

 珊瑚がモゴモゴと。
 普段は物事をハッキリと言う珊瑚。
 だが今の珊瑚はとても歯切れが悪かったし、視線も彷徨ってい
 る。
 余程自分に言いたくないのか、やましい事があるのだろう。

「珊瑚・・・・」

 若菜と綾瀬に挟まれ、珊瑚は蛇に睨まれた蛙状態だった。

「珊瑚はね、恥ずかしくて言えないんだよ」

 どこからともなく現れた有樹。
 三人の視線を受けスラスラと嘘を並びたてる。
 普段の有樹からは考えられないような、滑らかな嘘。

「今日は竜也君の帰りが遅いんだって。 で、普段、掃除・洗
濯・料理をこなす竜也君に感謝の気持ちを伝えたいからって、若
菜に料理を教えて貰うんだって」

凄いぞ有樹・・・・・

 若菜と、珊瑚は尊敬の眼差しだった。

「そうなんだ、珊瑚ったら恥ずかしがり屋さんだから、綾瀬に言う
とからかわれるから、内緒にして欲しいって言うから。 ね、有樹」

「ね、若菜」

 可愛らしく首を傾げ言う二人に、ちょっと殺意を覚える珊瑚だっ
 た。

「でね、僕も彰の為に料理覚えようかなって。 綾瀬はどうする?」

 いくら悠二の事が好きでも、綾瀬には料理を覚える気はなかっ
 た。
 いざとなったら、悠二に料理をさせればいいなどと思っていたり
 する。

「俺はいい・・・・・。 じゃあ、また明日。 若菜あまり遅くなるなよ」

 綾瀬はカバンを持ち、教室から出ていった。

「さすが有樹。 助かったね、珊瑚」

 口元を引きつらせる珊瑚。

「若菜〜〜〜〜」

「ほら、遅くなっちゃう」

 さも珊瑚が悪いという口調に、ガックリとなる。
 
何も言うまい・・・・・

 三人揃って、教室を後にした。






   
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