ナ・イ・ショ

33333Getされた、りんりん様より

貴章のバースデーのプレゼントの為に友人の紹介でコスプレ
パブでバイト。 ボケをかましつつ慣れてきた若菜だったが、
貴章に見つかり、ラブラブなおしおきv





 若菜は悩んでいた。
 7月7日は、大好きな貴章の28回目の誕生日。
 しかし、何をプレゼントしたらいいのか全く分からない。
 久我山グループの長男で、ホテル・リゾート開発部門を任さ
 れている。
 地位もお金もある。
 欲しい物、どんな高価な物でも何でも手に入るのだ。
 たかだか一介の高校生の、小遣い程度の安物などでは貴章
 には相応しい筈がない。
 因みに若菜の月の小遣いは1万五千円。

「う〜〜〜ん」

 唸りながら両肘を付き、机を睨んでいた。
 
「どうしたの若菜?」

 唸る若菜に有樹が話しかける。
 少し視線をずらし、有樹を見、大きなため息を吐く。

「来月、貴章さんの誕生日なんだけど、何をあげたらいいのか
なって・・・・・」

「何でもいいんしゃない?」

 軽く言う有樹に、若菜は大きく首を振る。

「その、何でもが浮かばないし、あんまり安い物だと貴章さんに
は似合わないと思う・・・・」

確かに。

 若菜の恋人で、綾瀬の兄である貴章の姿を思い浮かべる。
 年下の有樹の恋人も、群を抜いて端正な顔をしているが、初
 めて貴章の姿を見たとき、こんな人物が実在するのかと思う
 くらい、貴章の顔は際だっていたのだ。
 顔だけでなく、均整のとれた身体、纏う雰囲気は見た者を圧
 倒させる。
 そんな、若菜の恋人に、そこら辺で買えるような物は確かに
 似合わない。

「ねえ、有樹なら彰くんに何をあげるの?」

「え、僕? ・・・・・・・・分かんない」

「でしょ?」

「「う〜〜ん」」

 今度は二人揃って悩み始めた。
 そこに珊瑚が。

「二人とも、何難しい顔してるんだ?」

「あ。 ねえ、珊瑚なら竜也君に何をあげる?」

「何の話しだ?」

 恋人の誕生プレゼントの話しだと言うと、珊瑚はおもむろに眉
 を顰め、さも厭そうな顔に。
 竜也の言いそうな事は分かっているだけに、ハッキリ言って
 応えたくない。

「・・・・・・さあ」

 その時若菜が何か気付く。

「あれ? 竜也君は」

 剣竜也は珊瑚の恋人。
 2年までは、入学金、寄付金、全てのおいて金額が高く、有名
 進学校と言われる私立鳳学園に通っていたのだが、3年にな
 ってから若菜達の通う私立白鳳学園に編入して来たのだ。
 剣が編入して来た当初は、ちょっとした騒ぎが起こった。
 なぜなら、剣は鳳学園野球部のエースで、昨年の甲子園では
 優勝の立役者。
 しかも顔は抜群に良く、剣財閥の次男。
 TVで特集を組まれたくらい、有名なのだ。
 その剣が編入して来たのだから。
 そして、誰もが野球部に入ると思ったのに、剣は入部しなかっ
 た。
 そして、終始珊瑚と共に行動していたのだから。
 聡い者ならば、気が付いた。
 剣は珊瑚だけの為に編入して来たのだと。
 その剣が今は、珊瑚の側にいないのだ。
 不思議に思われても仕方ない。

「あ、竜也? なんか兄貴から連絡入って早退した」

「そうなんだ」

 いつも側にいる恋人がいないのに、珊瑚の顔はどこか嬉しそう
 だった。
 若菜からしてみれば不思議で仕方ない。
 年の離れた、忙しい恋人。
 出来る事なら、いつでも離れず一緒にいたい。
 だから、学校でも同じクラス、家へ帰っても一緒に暮らしている
 珊瑚がとても羨ましいのだ。

「いいな、珊瑚は。 学校でも、家でも竜也君と一緒にいられて。
 お互いの好みなんか知り尽くしちゃってるんだろうね〜」

 若菜にしてみれば、とても羨ましくて仕方ない事なのだろうが、
 珊瑚にしてみたら嬉しくない。
 竜也の事はとても好きだが、如何せん竜也の珊瑚に対する独
 占欲は迷惑なくらい強かった。
 初めて会った時から、それは始まっていた気がする。
 でなければ、珊瑚の家に押しかけ無理矢理同棲にもちこむ筈
 がない。

「・・・・・・知りたくない事もな」

 若菜と有樹には何の事か分からない。

「俺の事はいいんだよ・・・。 確かに若菜の彼氏は見かけも肩書
きもゴージャスだもんな」

「でしょ? 僕のお小遣いなんかじゃ。 貯金もあるけど、それは
お母さんに預けてあるから。 今持ってるお金9千円ちょっとだ
し・・・・・」

 言って机の上に財布の中身を取り出し数える。
 
9千円じゃあ・・・・・

 三人が「う〜〜ん」と悩む。

「そうだ」

 有樹が何か思い出した用に言う。

「アルバイトすればいいんだよ」

成る程。

 簡単な事だった。


 
 

 

  
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