流される日常
(6)

40000Getされたyo-yo様より
「運命の人」足掻きながらも馴染んでいく拓巳の新婚生活






「ご馳走様でした」

 今日の料理も最高に美味しかった。
 鯛が新鮮だったという事もそうだが、やはり拓巳の腕だろう。
 鯛飯のお焦げがあんなに美味しいものだとは思わなかっ
 た。
 癖のある春菊が、和え物になるとあんなに美味しいとは。
 食後のお茶一つとっても、なんて風味のある。

本当になんて素敵なんだろう。
 
 拓巳を見てウットリする。
 料理も上手くて、床上手。
 言い方がキツかったりするが、拓巳は自分の事を受け入れ
 てくれている。
 
 拓巳に良太郎への愛はあるかと聞いても、「ない」と言うだ
 ろう。

 まあ、実際ない事は見て分かるし。
 籍を入れた事実と、身体に関係があるという事で仕方ない
 と思っているに違いない。
 
 重要なのは、拓巳に嫌われていないという事。
 良太郎の事を、少しでも嫌っていれば、拓巳は指一本触れ
 させないだろう。
 そこはキッチリしているのだ。

 抱きしめて、キスしてエッチして。
 好きまではいかないが、『良いか?』位には思ってくれてい
 る。

この調子!

 身も心もラブラブになる日は近い。
 
頑張れ俺!

 拓巳と結婚出来て本当に良かった。
 一目惚れをして、一週間後には籍を入れ。
 出会ってまだ二週間しか経っていないが、この先も拓巳へ
 の愛は変わらないだろう。
 今も、未来も自分には拓巳只一人。
 言い切れる自信がある。
 愛する人と一生過ごせる。

なんて幸せなんだろう!


 昔の自分からは考えられない行動の素早さ。
 押しの強さ。
 やる気のない人任せな自分とはさようなら。

 言われるがままに入ったこの会社。
 長男だから将来は会社を継がなくてならない。
 まあそうなんだろうなと思っていた。
 その内見合いでもして結婚するのだろうとも。

 それが初日に部署回りの挨拶でガラッと変わった。
 光り輝く拓巳の姿。
 
 気が付いたら告白をしていた。
 そんな自分に驚いた。

 拓巳に認められたくて初めて必死になった。
 そんな姿を見た父はもの凄く驚いていた。
 父だけでなく家族全員が。
 第一秘書の代田も、それはそれは驚いていた。

「生き生きしている」

 初めて言われた言葉。
 自分でもそう思う。

 毎日が楽しくて仕方ない。
 拓巳の姿を見るだけで、生きる気力が湧いてくるのだ。
 嬉しくて嬉しくて、この思いを聞いて貰いたいと皆に話した。
 
 母と姉は感動し涙を流し、弟は興奮しエールを送ってくれ
 た。
 父はその時は何も言わなかったが目尻には光る物が。
 代田は全面的に協力すると言ってくれた。

 家族がこんなに有り難いものだと初めて知った。
 これも全て拓巳のお陰。

拓巳さんて素晴らしい!

 こんなに早く結婚出来たのは、家族や代田、そして剣総帥
 のお陰。
 自分の回りにこんな素晴らしい協力者がいてくれた事に感
 謝だ。


 流しで洗い物をする拓巳を熱い眼差しで見る。

 スッキリとした顎のライン。
 台所に立つ姿は姿勢が良いい。

 席を立ち、そっと拓巳の後ろに回り込む。

 細い腰。
 白い項。
 エプロン姿。
 それだけで良太郎をそそる。

「・・・・おい」

 後ろから発せられる不穏な気配に気付く拓巳。

「なんですか?」

 帰って来た声に欲情が籠もっているの気のせいではないだ
 ろう。
 警戒するが、手は洗剤で泡まみれ。
 何かされたらその泡のついた手で抵抗すればいいのだが、
 それをすると泡がそこらに飛び散り汚れる。
 汚れても良太郎が綺麗に掃除する筈がない。
 
 やはり以前同じように抵抗し、汚れ、後から良太郎に掃除
 をさせたが、逆に酷くなってしまった。
 ただ拭くだけなのに、どうして汚れるのか、全くもって分から
 ない。
 何度やらせても結果は同じ。

 情事後の拓巳の身体はとても丁寧かつ、綺麗に出来るの
 に。
 汚れたシーツを手際よく交換し、とても綺麗にベットメイクす
 るのに。
 なのに何故?

 非常に不思議。
 最初のうちは、ワザとなのかと思ったがどうやら違うし。

 背後を取られたら後は大人しくするしかない。
 良太郎の手が腰に回り、白い項に唇が落ちる。

 それだけで拓巳の身体に火が灯る。

ああ、慣らされているよ・・・・





 
Back  Top  Next




SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送