求める心
(2)


キリ番44444をGetされたレイコ様からのリク





 9月。

 夏休みも終わり、季節は秋へと。
 イライラだけが募っていく。

どこだ!

 眼光はさらに鋭く、猛獣の気配となっていた。
 恭夜の取り巻きも、彼に近づけなくなっていた。
 女達は、そんな恭夜に怯えながらも恭夜の虜となり、身体
 を差し出してくる。
 身体の欲求を満たそうとしても、誰一人として、恭夜の欲
 望を満たすことは出来なかった。
 女を抱けば抱くほど、獲物のを渇望する。
 その内女を抱くことも止めた。

 季節が冬へと変わり、そして春。
 中2だった恭夜も中3となった。

 学校などはどうでも良かった。
 行かなくてもいいのなら卒業まで登校したくなかった。
 
 中2の時、髪を突然金髪にして登校しても、ピアスをして行
 っても何も言ってこなかった。
 視線を合わせる事すらしない教師達にはウンザリ。
 毎日登校はしていたのは父の唯一の指示。
 今の自分では到底適わないだろう父からの決め事。

『何をしようが構わない。 髪を染めるのもいいだろう。酒にタ
バコ、女もいいだろう。 だがまだお前は13歳。義務教育期
間だ。 それが終わるまでは親の言う事をきいいてもらおう。
高校に行く行かないは別として、義務教育期間の間は学校
は休むな。 それ以外は何をしようがお前の好きにしろ。 お
前の手に負えない事があれば俺が出て片を付けてやる』

 父はそう言ってニヤリと笑った。



 あの夏、獲物を初めて見つけてから一年が過ぎようとして
 いる。
 また同じ季節。
 後半月もしないうちに夏休みが終わる。
 なのに変わらず見つける事が出来なかった。
 見つけるのに一年以上もかかっている。
 近隣の高校を回って見たがそれらしき人物はやはり見あた
 らなかった。
 
まさかこの街いないのか?

 獲物はたぶん恭夜の二つ、三つ上。
 まだ高校生。
 場合によっては家族の都合で引っ越しているかもしれな
 い。
 そうなれば、今の自分では探し出すのは無理。
 ギリギリと歯を噛みしめる。
 だが獲物は以外な所で見つかった。
 
 その日は夏休みであるにも拘わらず一時登校の日だった。
 本当なら行きたくはなかったが中学の間は仕方ない。
 学校から帰って来て二階に上がり自分の部屋へ行こうと
 敬の部屋の前を通る。
 すると部屋のドアが開き敬が出て来た。
 どうやら恭夜が帰って来るのを待っていたらしい。

「お帰り恭夜。 待ってたんだ」

「・・・・・・何か用か・・・」

「ああ、写真を保存しようと思ったんだけど、俺のスキャナー
が壊れてね。 恭夜のを貸して欲しいんだ」

「・・・・・・・」

 壊れているなら新しいのを買ってから保存すればいいだろ
 う。
 そうは思ったが口にはしなかった。
 いったん部屋へ行き、着替えてから敬の部屋へスキャナー
 を持って行った。
 面倒くさいとは思ったが、ふと『写真』という言葉が気になっ
 たのだ。
 
 部屋を開けると床一面に写真が広げられていた。
 いつもキチンとしている部屋なだけに異様な光景。

「ああ悪かった、そこに置いて」

 示された台の上に置く。
 ついでにパソコンに繋げる。
 外から帰って来た恭夜には、程良く冷えた部屋が心地よか
 った。

「ああ、悪いね」

「何をしてる・・・・」

「ん? 写真を整理しようと思ってね。 必要ないのにみんな
が写真をくれるから凄い枚数になったんだ」

 必要ないなら受け取らなければいいだけ。
 自分の写っている写真を貰って何が嬉しいのか。
 そう思っている恭夜は極端に写真が少なかった。
 ハッキリ言って撮られるのが嫌だった。
 うっと惜しいのだ。
 何か学校行事がある度に「一緒に写真撮らせて下さい」と
 言われるのだから。
 卒業式の時などは「最後だから」とか「記念に」とか、兎に角
 卒業生達が五月蠅くて仕方なかった。
 
 そんな事を考えながら床に広げられている写真を手に取っ
 た。
 その写真の敬は今と少し雰囲気が違っていた。
 去年の物だろう。
 
「いつからのだ」

「去年から」

 高校に入学してから約一年半でこの枚数。
 中には敬を隠し撮りした様な物まで。

よくこんな物を本人に渡せるな・・・・

 冷ややかな視線で何枚か取り上げ見ていく。
 休み時間のような風景。
 体育の授業中の物もある。
 呆れたものだ。
 敬の通う高校はかなりレベルが高いのだが、やってる事は
 かなりレベルが低い。
 他には学校行事のような物も。
 
文化祭か?

 ウエイターのような格好の敬が写っていた。
 
これは体育祭か・・・・

 別な写真を手に取り見る。
 トラックを走る敬の姿。
 そしてもう一枚手に取った。
 同じ体育祭の物。
 組み体操の写真だ。

「!!」

 何げに取った写真に目が釘付けになる。
 
見つけた!





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