こんな筈では?

(2)





 今まで自分がつき合って来た彼女達は、拓巳の顔だけを気に入って寄ってきた。
 学生時代は家の手伝いが忙しく、休みの日も朝から一日手伝いをしていた。
 拓巳が構ってくれないという事と、王子様然とした拓巳がラーメン屋で働いているという事実に、
 彼女達は去って行った。
 社会人になってからは仕事を優先で、思った事を言ってしまい、優しくないと言われ、興味のな
 い事には無駄な時間は使いたくないのでデートも時々断った。
 そして彼女達は去って行った。
 いつも『顔』。
 中身を見ず、自分を押しつけていた。
 
 自分を押しつけるという点では良太郎も同じ、いやそれ以上なのだが。
 違うのは自分をさらけ出し、そして拓巳の口の悪い所、わざと突き放した所、少し暴力的な所全
 てが好きだと。
 物好きな奴だと思う。

此奴と一生つき合って行くのなら、身体の関係もありなんだろうな・・・・・
嫌いではないんだが・・・
その内ほだされてこいつの事好きになるのかな

 いつの間にか目を閉じ、そんな事を考えていた。
 すると、首筋に痛みが走った。

「痛!」

 目を開けると少し不満そうな良太郎の顔が。

「僕達の初めての甘い夜なのに・・・・・・もっと集中して下さい」

「・・・・・・・・・」

勝手に人を押し倒しておいて、なんて言い草だ!

 良太郎の事を睨み付けた。
 しかし、この行為を受け入れようとしている自分に気が付いていない。
 そして、その顔が煽っていることも。
 何故か嬉しそうな、良太郎の顔に訝しむ。

「そんな顔をして、僕の事を煽っているんですね。 そうですよね、こんな魅力的な拓巳さんを
放っておくだなんて・・・ではっ」

 そう言い胸に顔を埋めた。
 

 見ると、ボタンは全て外され胸元はさらけ出されている。
 そして、ズボンのファスナーも。

いつも間に!

 目を瞑っていた事が悔やまれる。

 拓巳の胸にキスを繰り返す良太郎。
 男がそんな所感じる筈がないだろうと高を括っていた。
 左胸に温かい唇が触れる。
 
「あ・・・・・っ・・・」

 思わず声が。
 乳首に当たる堅い感触と、温かく濡れた感触。
 前歯で軽く乳首を噛まれ、舌の先で突かれる。
 あいている手で片方の乳首を弄られる。
 柔らかく揉まれ、潰される。
 意識が胸に集中してしまう。
 こんな部分が感じてしまうとは思ってもいなかった。

 先端を唇で挟み、吸い上げられ、舌でねっとりと嬲られ。

「ん・・・・・・あぁ・・・・やめっ・・・・・・」

 その声を聞き、意地悪く音を立て吸い上げられ、今度はもう片方の乳首に吸い付かれる。
 光々と電気の点くなか、吸い付かれ赤く尖り良太郎の唾液に濡れ光る乳首が卑猥だ。
 その唾液に濡れた先端を今度は少し力を入れこね、潰す。

「・・・・やっ・・・・・」

 念入りに弄られる乳首の刺激に、拓巳のモノはすっかり大きくなっていた。

「拓巳さん気持ちいいですか?」

 舌で刺激を与えながら聞いてくる良太郎。

そんな事言えるか!

 手を口に当て、声を塞ぐ。
 そんな拓巳を見て、良太郎は乳首の先端を甘噛みし、片方の手を下半身に移動させる。

「言えないんですか?・・・・でも、ほら、ここはこんなに堅くなっていますよ。 下着の上からも分
かるくらい濡れてる・・・」

 耳元で囁かれたその言葉に、顔が羞恥で赤くなる。
 下ろされたファスナーから覗かせる下着は、良太郎の言う通り濡れていた。
 下着の上からゆっくりと揉まれる。

「はぁ・・・・・ん・・・・」

 押さえた口から漏れる甘い声。
 こんな声は出したくもないのに、自然と漏れてしまう。
 良太郎の唇が胸を離れキスをしながら下へと移動してくる。
 そして、濡れた下着の上から、拓巳の欲望を甘噛み。
 
「あうっ・・・・・」

 痺れるような刺激が身体を走り抜けた。
 こんなに感じてしまうなんて。
 噛まれ、手で揉まれ下着の中は拓巳の零した液でグチャグチャだった。
 もっとちゃんとした刺激が欲しいと、身体が揺れてしまう。
 揺れる腰が艶めかしく、良太郎を煽っていた。
 しかし、当の拓巳は自分がそんなに厭らしい動きをしている事に気が付いていない。
 
 下着ごと一気にズボンを下ろされる。
 すっかり形を変え、立ち上がった拓巳の欲望。
 先走りに濡れ、とても厭らしい光景だ。
 
 良太郎はゴクリと唾を飲み、拓巳を含んだ。
 
「あああぁぁぁ・・・・・!」

 熱く濡れた口腔に、拓巳は更に蜜を零す。
 肉厚な舌が絡み付く。 裏筋から括れまでを舐め上げられ先端を吸い上げられる。
 ジュブジュブという音が拓巳を更に追い上げて行く。
 
「凄いですね・・・・。 舐めても舐めても溢れて来ますよ」

 銜えたまま喋る良太郎の歯が時々先端に当たり、それがさらに刺激となる。
 
「や・・・め・・・・・しゃ・・・・るな・・・・・・・ああ・・・・・」

「そんなに気持ちいいですか」

「んあ・・・・・・」

 口だけでなく空いている手で袋を揉む。

「ああああ・・・・・・・・」

 限界が近づいてきている。
 あと少し弄られれば蜜をはき出してしまうだろう。
 良太郎は更に音をたて吸い上げた。

「ん・・・・あ・・・・ああああ!」

 拓巳の背中がしなり良太郎の口の中に蜜を放つ。
 良太郎は最後の一滴まで搾り取るように吸い上げた。
 今までとは全く違う絶頂に、拓巳の身体は満足感を得ていた。
 いったのにも拘わらず、身体はまだ甘い痺れを感じていた。
 荒い息を整えようとしていると、その口の良太郎がキスを。

「ん・・・・」

 それだけの刺激でも身体が反応してしまう。
 どこもかしこもが性感帯になっているようだ。
 自分の身体がこんなに感じやすいとは、思ってもいなかった。

「良かったですか?」

 目を開けると良太郎の顔が目の前に。
 唇が触れるか触れないかくらいの位置で囁く。
 吐息が触れ身体がビクリとなり、唇が触れる。
 最初は軽く、そして段々深い口づけになっていく。
 絡んでくる舌に拓巳も応える。
 そしてねだるように、良太郎の背中の腕を回していた。
 良太郎は拓巳の唇を堪能しながら、両手で身体をまさぐ
 っていく。
 首筋から胸に。
 乳首を摘み、時折潰すようにこねる。

「ん・・・・・」

 唇から漏れる甘い声。
 もう片方の手で、すっかり立ち上がっている拓巳を握りゆっくりと上下に動かす。
 溢れる蜜で、動かすたびにグチュグチュという音が。
 拓巳の腰が揺れる。
 こんなに淫らで快楽に弱いとは。
 思ってもいなかった嬉しい誤算に良太郎も限界が近かった。
 あふれ出た蜜は後ろの窄まりまでグッショリと濡らしていた。
 乳首を弄っていた手を、後ろの部分に当て撫でる。
 その刺激の窄まりが動き始める。
 まるでねだるような動きに誘われ、指を一本ゆっくりと沈めていく。
 突然の違和感に身体がビクリとなるが、前の刺激で緩和される。
 良太郎は唇を胸に移動し、乳首に愛撫を。

「ああ・・・・・・そ・・・・やっ・・・・・・」

 後ろがキツクしめられる。
 ゆっくりと解していき、指を増やす。
 熱く締め付ける拓巳の中に、良太郎の気持ちもはやる。
 さらにもう一本指を増やす。
 圧迫感が拓巳を襲う。
 良太郎の指が中でバラバラに動き、拓巳のいい部分を探す。
 そしてある一点に指が。

「んああああ!」

 痛いくらいな締め付け。 身体が跳ね上がる。

「凄い締め付けですね・・・・。 ここがいいですか・・・」

 必要以上にそこばかりを攻められる。
 欲望からは止めどなく蜜が。
 二度目の限界がすぐそこまで来ていた。
 良太郎も拓巳の上げる嬌声と痴態に限界だった。
 己のファスナーを下ろし、熱く滾った雄を取り出す。
 拓巳の蕾から指を抜き、欲望を当て白い両足を抱える。
 途中で放り出され行き場のない欲望。
 後ろに感じた熱い物にすり寄せる。
 そしてその熱い物が一気に自分の中へ。

「あああああっ!」

 息が詰まる程のキツイ衝撃。
 今まで高ぶっていた拓巳の欲望が縮まる。

「くっ・・・・」

 あまりにもキツイ締め付けに、良太郎の息も詰まる。

「力を抜いて下さい・・・」

 それが出来れば苦労しないし、教えて貰いたいくらいだ。

「・・・・抜け・・・・・」

「無理です・・・・動けません・・・・」

「・・・・・痛い・・・」

 拓巳の額から汗が。 良太郎は衝撃で小さくなった、拓巳の欲望を扱き始めた。
 前から与えられる刺激に、力が抜けて行く。

「大丈夫ですか?」

「・・・・・んな訳・・・・ないだろ・・・」

「でも、大夫力が抜けてきましたよ。 前も大きくなって・・・くっ!」

 思い切り良太郎を締め付けた。

「・・・・・分かりました、拓巳さんがそういうつもりなら、手加減はなしです」

 言ってさらに、拓巳の欲望を扱き上げ、乳首を摘む。
 身体から力が抜けていく。

「ば・・・か・・・・はっ・・・・・」

 良太郎はゆっくりと腰を動かす。
 先端が抜けるところまで雄を引き、また奥の方まで埋める。 
 ゆっくりとした動きが良太郎の雄の存在を拓巳に知らしめる。
  またギリギリまで引き出し奥へ。
 ゆっくりとした動きがもどかしい。
 痛みは既になかった。 前から与えられる刺激で、中はすっかり溶けていた。
 良太郎は拓巳の熱い内部と程良い締め付けを堪能していた。
 
「はぁ・・・・・んん・・・・」

 大きな動きと小刻みな腰の動き。
 もっとというように、拓巳は腰を押しつけていた。
 
「ああ・・・・」

「いいですか・・・・・」

「んん・・・・・っ」

 腰をまわし、さらに奥に入れてくる。
 そして、良太郎の雄がある一点を点く。

「ああああああ!」

「・・・・くっ・・・」

 突然のキツイ締め付けに、一瞬持って行かれそうになった。

「・・・・凄くいい」

 良太郎を絡め取るような動きに良太郎の限界が近づく。
 拓巳の良いところを集中に突き追い上げていく。

「ああ・・・・もっ・・・・・ああああ!」

 拓巳の欲望が弾け、前を濡らす。 キツイ締め付けに良太郎も拓巳の奥に放った。



「腰が痛い・・・・・・」

 拓巳が起きた時には外は夕闇のなりかけていた。
 良太郎の姿もない。
 いつ寝たのかも覚えていない。
 あの後の良太郎はケダモノとなっていた。
 疲れてウトウトしていた拓巳に襲いかかり、後ろから前から下から横からと好き勝手放題。
 拓巳にとっては拷問。
 起きあがる事が出来なくなっていた。
 
「くそ〜、なんでこんな事に。 いや、自分の身体が恨めしい・・・・・」

 こんなに快楽に弱かったとは。
 頭を抱えていると、良太郎がワゴンを運び入って来た。
 すごぶる機嫌がいい。

「あ、拓巳さん起きました? お腹空きましたよね。 食事持って来ました」

 見ると3段の重箱が。
 一段目は煮物、二段目は焼き物、三段目は赤飯が。
 冷や汗が流れる。 見た事のある重箱と、中身だったから。

「これは・・・・・・」

「はい、お父様からです。 おめでとうって」

「・・・・・どういう事だ」

 ニコニコと笑いながら、恐ろしい事を。

「僕と拓巳さんが『身も心も晴れて夫夫になりました』と報告したら、お父様が先ほどこれを届け
て下さったんです。素晴らしいお父様です。 あ、こっちのデザートとシャンパンは父と母からです」

なんて事だ・・・・・・・

 書類だけで終わる筈だったのに、身体まで。 あげくそれをみんなに知られてしまうとは。
 もう、どう足掻いても無理だと悟った。

こんな事になるなんて・・・・・こんな筈じゃなかったのに・・・・

 ガックリとした拓巳だった。





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