キリ番29000をGetした『さび様』より
「皆が若菜をどう思っているか、周りの視点」というリク
                                




 
 【戸田家〜妹弟編〜】



 私にとっては自慢のお兄ちゃんよ。
 綺麗で優しくて、頭もとってもいいし。
 性格なんかとっても可愛いんだから。
 

 最近の若菜ちゃんは前にも増してとっても綺麗。
 綾瀬さんのお兄さんとつきあい始めたからね。
 

 みんな思ってるけど、若菜ちゃんのお相手はそん所そこらの人じゃ駄目
 なの。
 若菜ちゃんの隣に並んでも遜色のない人じゃないと。
 見た目もそうだけど、中身も大事。
 頭・性格・行動力全てにおいて!
 そんな人以外は受け付けないわ。
 そんな人いるのかしら・・・・・って悩んだ事もあったけど。
 でも若菜ちゃんの幸せのためには妥協出来ないし。


 そんなある日、若菜ちゃんは熱を出して帰って来たの。
 なんだか色っぽくて、ドキドキしちゃった。
 でもとっても辛そうな目をしていて。
 何とかしてあげたいから聞いてみたの。
 そしたら「好きな人が出来た」って。
 それならもっと嬉しそうな筈なのにどうして?

 そんなに酷い奴なの?
 若菜ちゃんを悲しませる様な奴なの?
 許せない!

 どう料理してやろうかと思っちゃった。
 でも、相手の人も若菜ちゃんの事「好きだ」って言ってくれたらしいの。
 とっても素敵な人だって。 

 なのにどうして?

 「その人と一緒にいたら大切な人をなくしてしまうかもしれないから。 こ
 れからもずっと一緒にいたいから、悲しませたくないから・・・・・・」って。

 若菜ちゃんにとって、家族以外で大切な人と言ったら綾瀬さんしかい
 ない。
 金、土と綾瀬さんの家に泊まったから、きっと何か知ってるはず。
 直ぐに綾瀬さんに電話したの。
 でも連絡が取れなくて・・・・・仕方なくメールを入れておいたんだけど。 
 次の日に綾瀬さんから一言「大丈夫」ってメールが来たから。
 綾瀬さんが大丈夫って言うからにはきっと大丈夫。
 ちょっと安心。

 月曜日の放課後、綾瀬さんから「今日、若菜ちょっと帰るのが遅くなるけ
 ど心配ないから。 家に帰った時には幸せな顔になってる筈だから」って
 連絡があったの。
 綾瀬さんの言った通り、その日の夜に帰って来た若菜ちゃんはとっても
 幸せそうな顔してたの。
 本当に良かった。
 お礼の電話をした時に教えて貰っちゃった。
 若菜ちゃんのお相手が綾瀬さんのお兄さんだって事。
 綾瀬さんとの友情を壊したくないから、若菜ちゃんお兄さんの事諦めよう
 としたんだって。
 健気だわ・・・・・・・クスン・・・・
 
 今ではとってもラブラブ。
 毎日欠かさず連絡あるし、貴章さんの時間がちょっとでもあけば会って
 るのよ。 

 初めて会った時の感動は今でも忘れないわ!
 全身黒で統一された服。
 真っ白な服の若菜ちゃん。
 完璧な一対という物を見せて貰ったわ。
 若菜ちゃんの横に立っても、何の遜色も無くて・・・・ううん、それ以上にお
 互いが引き立てあって・・・・・

 許すわ!!

 若菜ちゃんをとっても大切にしてくれている貴章さん。
 たとえパパや青葉が反対しても、負けないわね。



*****
 

 若菜?

 我が家のオアシスだな。
 若菜の存在自体が奇跡だ。
 あの美貌もさる事ながら、あの優しい話し方に、透き通る様な声。
 性格は勿論良い!
 全てに癒される。

 俺の家は、俺も含めかなり美形家族。
 中でも若菜は子供の頃から抜きん出ていた。
 そんな若菜を間近で見て育ってきた俺。
 俺の中での基本は若菜だった。
 若菜が俺の理想だ。
 若菜以外の、若菜を上回る人物はいないだろう。

 若菜〜〜好きだ〜〜〜!

 物心着く前から俺は若菜にべったりだったらしい。
 若菜が横に居ないだけで大泣きしていたらしく、今でも時々からかわれ
 る。
 一つ上の紗英には見向きもしなかったと言われた。
 そんな自我もない時の事を・・・・
 ムカツクぜ、親父!
 若菜が幼稚園・小学校と、変わる度に「僕も若菜ちゃんと一緒に行く〜」と
 泣いた事を思い出す。
 今考えるとかなり恥ずかしいな・・・・
 まあ兎に角、何時でも何処でも一緒に居たかった訳だ。
 
 ガキながらも若菜は他の子供とは違うと感じていた。
 他のガキは鼻水を垂らしたり、汚い感じだったがその中で一人全てが綺
 麗だった。
 身なりもそうだが。
 周りも汚くしちゃいけないと思っていたらしく、子供ながらも若菜の事を特
 別扱いしていた記憶が。
 女の子には王子様、男の子達にはお姫様の存在。
 分かるな。
 それは年を重ねる毎に汚してはいけない存在になっていたんだが。

 何処にでも愚かな人間がいる。
 俺は小学生で、若菜の中学に行く事は当然出来なかった。
 この年齢差があの時程憎らしいものはなかった。
 若菜のためにどんなに身体を鍛えていても、その場所に居なければ何の
 役にも立たないんだから・・・・・
 あの綺麗な顔を隠すのは残念だが、若菜の身の安全には代えられない。
 家族全員一致で眼鏡を掛けさせる事にした。
 もうこれでもか!という位、今時こんな眼鏡買う奴がいるのか?て感じの
 眼鏡。
 もの凄くダサイ。
 若菜がこの眼鏡を掛けた時、あまりの変わりようにショックを受け、その日
 の夜うなされてしまった・・・・
 今でこそ馴れたけど。
 まあそのお陰と、学校も変わったから誰も若菜の素顔を知らないし、俺達
 も口を酸っぱくして「学校では、目立つな、大人しく」といったから安全なん
 だが。

 でも、そのせいで若菜に友達が出来なくなった。
 休み時間は教室で本を読み、昼休みも図書館に籠もっていたから。
 若菜は本が好きだから、さほど気にしてなかったけど心が痛かった。
 しかし、高等部になってから、ひょんな事が切っ掛けで若菜に友人が出来
 た。
 中等部でもかなり有名な人物。
 久我山綾瀬さんだ。
 久我山グループの三男で、若菜には負けるがかなり綺麗な人だ。
 見た目表情もあまりなく、冷たい印象の人だと思っていた。
 それが実際には、人を気遣う優しい人だった。
 まあ、綾瀬さんが認めた人だけみたいだが。
 本当の若菜の素顔と天然な態度に、どうにも心配で放っておけなかった
 らしい。
 綾瀬さんが一緒なら心配はない。
 そこから立て続けに若菜に友達が出来た。
 有樹さんに、珊瑚さん。
 この二人もかなり美形で有名。
 若菜が家で眼鏡を外し、4人で仲良くしている時は眼福だ。
 この二人も若菜の素顔を知り、若菜の事を見守っていてくれる、有り難い
 存在になってくれた。
 そのお陰で若菜はとても楽しそうだった。
 良い事続きだと思っていたんだが・・・・・・

 
 ここ急に美貌を増した若菜。
 初めて若菜が家族以外と旅行に行きたいって。
 反対だったけれど、相手は綾瀬さんだし、母さんや紗英の強い押しで決
 定。
 俺も行きたかったが、どうしても外せない用事が。
 ああ、しかしあの時用事なんて投げ若菜について行けば・・・・
 旅行から帰って来た若菜を迎えに出ると、綾瀬さんの他に男が二人。
 どちらも部類は違うがかなりの男前。
 特に貴章と呼ばれた男。
 悔しいが今まで見た誰よりも一番だ。
 そいつの若菜を見る目が違った。
 とても愛おしい者を見る目。
 若菜のそいつを見る目も違っていた。
 恋する者の目だ。
 何見つめ合ってんだ! 
 俺と親父はピンと来た。
 こいつは俺達から若菜を奪おうとする敵だ!!


 若菜の部屋から、楽しそうな、それでいて甘い声が。
 気になってドアに張り付き、耳を当て聞いていると、中から若菜とは違う
 男の声が!
 夜で若菜の部屋にはそんな男がいる筈ないのは分かっているんだが、ど
 うにも気になって、そっと開けて中を窺ってみた。
 当然男はいなかったが、見た事のない携帯を持って、その画面に向かっ
 て話しかけていたんだ。
 最新式で相手の顔を見ながら掛けられる携帯。
 いつの間にそんな物を!
 いや、なんだその幸せそうな顔は!
 相手は貴章に違いない。
 渡すものか、絶対に渡すもんか!
 親父と邪魔してやる。


 俺の若菜に手を出すな―――!
  


 









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