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| 【綾瀬編】 若菜？ 自分の容姿を全く理解していないね。 無頓着にも程がある。 危機感も全くないし。 あと、有樹もだな。 俺と珊瑚は、自分の容姿に自覚があるから常に警戒してるけど。. 最初見た時は、もの凄く驚いたよ。 本当、言葉に出来ないくらい。 こう言うのも何だけど、本当に眼鏡を掛けている時の若菜は半端じ ゃないくらいダサイ！ これもまた言葉に出来ないくらい。 中等部時代から存在自体が薄かったしね。 ああ、でも成績では目立っていたな。 学年トップだから。 運動神経は普通かな。 本当はもの凄く良かったんだけど。 俺達と仲良くなるまでは、親しい友人も居なかったみたいだし、休み 時間は何時も本を読んでいたかな。 高等部から入ってた有樹とは、時々話してたらしいよ。 俺だって、あのきっかけがなかったら友人にはなってなかったと思う。 俺自身が、誰かと一緒に行動を共にする事がなかったから。 まあ、あの雨のお陰？で若菜、有樹、それと珊瑚と友人になれたし。 眼鏡を外した若菜は本当に美人だね。 特に俺の兄貴章とつき合い始めてからは色気も加わったし。 最近は、眼鏡掛けてダサイ筈なのにちょっとした仕草なんかがドキッ として。 誰かが気付いたらどうするんだ、全く。 妹の紗英ちゃんや青葉から、くれぐれも頼むって言われたけど・・・・ 言われる前に、余りにも無防備な若菜の事が心配で勝手にカバーし てたけど。 自分の兄や親友の事を悪くは言いたくないけど、あの二人がそうい う関係になるとは全く思わなかったよ。 兄さんは、人を愛する事なんて無いと思ったくらい。 人に対して執着や、優しさなんか全く無かったから。 身内には少しは違ったけど、でも必要最低限だし。 笑った顔なんか見た事なかったし、多分両親も見た事ないんじゃない か？ それが若菜とつき合うようになって、優しい目に穏やかな雰囲気に。 自分の目を疑ったね。 まるで別人。 二人だけの時はもっと違うらしい。 聞きたくもない惚気話。 本人は全く惚気てるつもりはないらしいが。 「貴章さん、お休みの日には僕の膝枕でゆっくりするの」とか「ソファー で貴章さんの膝に座ってビデオ見るの」だの「貴章さんとキスすると凄く 幸せ〜」って・・・・・・ ハッキリ言って聞きたくないし・・・・・ 若菜は黙っていれば、誰にも負けない美人なんだけど、あの呆け具合 が・・・・・・ その二人が、出会いはどうであれ、惹かれあっているんだからかなり 不思議だ。 周りの視線をもっと気にして欲しい。 それでも本人達は、知らない人物や外では気を付けているらしいけど。 俺や悠二の前では制限がない。 初めて旅行で草津に行った時は、本当に疲れたよ。 違うとは聞いていたけど、自分の兄があそこまで変わるとは思ってな かったし。 恐ろしい・・・・・ そう言えばあの時、悠二の奴若菜に見惚れやがったな・・・・・ 俺が直ぐ横にいるのにも拘わらず！ まあ、そんな事はどうだっていいんだけど・・・・・・ブツブツ・・・・・ 車の中でキスはするは、レストランではそこら辺にいるバカップル以上 の二人の世界だし、一緒に居て恥ずかしいね。 本当、人って変わるもんだなって思ったよ。 でも似合いのカップルだね。 お互いの事を、本当に思い合ってるって分かったから。 |
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